CATS


あらすじ

   月夜の都会のゴミ置き場に、たくさんの猫達が集まってきた。オールド・デュトロノミー(長老猫)によって、猫の天国へ行ける一匹、「ジェリクル・キャッツ」が選ばれる大舞踏会が行われるのである。それぞれの猫の独特の名前についての説明がされる。おばさん猫の「ジェニエニドッツー」、プレイボーイの「ラムタムタガー」、鉄道猫の「スキンフォリーズ」、劇場猫の「ガス」などそれぞれの現在や過去、個性が歌やダンスで紹介される。昔の自分の美しさに思いを寄せるグラマー猫「グリザベラ」は他の猫達からは嫌われていたのだが、最後に人生の希望を歌い、「ジェリクル・キャッツ」に選ばれるのだった。



感想

   劇場に入って席につくと舞台の真後ろ。これじゃ、なんにも見えやしないじゃん。腹がたったので、劇場の人につたない英語でどうなってるんだと聞いたら、笑顔で “No problem”などと答えられた。問題なくないよ。こちとら極東のジャパンという国からはるばるやってきたのに、こんな見えにくいところなんて。あまり釈然としないまま、仕方なく席につき、いよいよ始まった。上のほうに猫の目がいっぱいでてきて、腹が立っていたせいか、それらもただの気持ち悪いものとしか思えない。すると突然舞台が回り出した。あっけにとられて見ていると、舞台全体が回転して、私の席を正面にして止まったのだ。なんと真っ正面の席じゃないか。彼女のノープロブレムは嘘じゃなかったのね。舞台が回るなら、最初に言ってくれよ。ってな具合に「CATS」が始まった。

   ストーリーというストーリーはたいしてないんだが、いろんな猫達が自分をアピールするという感じの構成だった。私が一番気に入ったのは「ラムタムタガー」だ。セクシーな感じがよかった。こんな男になれたらとちょっと思った。日本人でこの役をやるのに、ぴったりなのは、さしずめT. M. Revolutionかミッチーぐらいなもんだろう。有名な「メモリー」がまさかCATSの曲とは知らなかったが、この曲を歌うグリザベラには何か心にぐっと来るものがあった。後は客と一緒に踊ったり、エンタテイメントとしてとても楽しめるものだった。驚いたのは休憩中に「オールド・デュトロノミー」が舞台上で休憩していることだ。サインをもらいに行ってる人もいたが、猫のおっさんにサインもらったってどうするの?と思い、私はもらわなかった。しかし帰国後、同じくロンドン旅行に行ってきた友人がちゃっかりサインをもらってきていた。返す言葉もなかったが、ちょっとうらやましかった。



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