コーラス・ライン


あらすじ

   演出家のザックは新しいショーのためにコーラス・ダンサーのオーディションを行なう。選考に残った17名に、自分をさらけ出し、ありのままを告白するように命ずる。各人に様々な質問を浴びせ、人間模様を浮き彫りにしてゆくザック。そのなかにはザックの元恋人で花形ダンサーだったキャシーが、映画に自信をなくし戻ってきていた。ザックの問いにダンサー達は皆、過去に悔いはないと答える。そしてザックからオーディションの結果が発表されるのだった。



感想

   初めて訪れた四季劇場。印象は小さい。でも観客としてはこれくらいの大きさのほうがぜったい見やすい。私が座ったのはバルコニー席で前かがみになってひじをついて観るという感じで、姿勢がちょっとつかれたが、結構観やすかった。

   この作品の印象は地味だということだ。というより多分今まで派手なミュージカルばかり観てきたからだろう。ほとんどセットというものはなく、何枚かの鏡だけだ。だからちょっと拍子抜けをしたが、内容はすばらしかった。ちょうど就職活動をはじめたころだったので、非常に考えさせられるものだった。彼らは真っ正面から自分と向き合わなければならない状況に追い込まれ、次々と自分をさらけ出していた。就職活動も同じだ。自分と向き合って、自分はどういう人間か、そして自分は何をしたいのか、真剣に考えなければならない。それは本当に勇気のいることだと思う。誰にだって、人生で悔いが残っていることはあるはずだ。その過去は決して変えられない。だったら将来後悔しないように、今精一杯のことをしなければならないのだ。コーラスラインの登場人物達は、将来後悔しないように一生懸命、オーディションを受けている。そんな彼らに勇気づけられ、私も将来後悔しないように一生懸命就職活動をしようと決意したのだった。ただ一つ問題なのが、「ワン、一つの夢 胸に抱いて」というあの曲が頭からはなれない。たすけて。



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