NANTA


あらすじ

   ある調理場に、はりきり屋の料理長、カンフー好きなアシスタント、料理下手で勘違いの激しい女性料理人、支配人の甥でつかえない下っ端の4人が働いていた。ある日突然結婚式がはいり、6時までに料理を作れと支配人に言われ、彼らは大急ぎで料理を作り始めるのだった。



感想

   NANTAってなんだ?というおやじギャグを思い付いた人は手を挙げて。このNANTAは実は韓国のミュージカルなのだ。漢字で書くと乱打。あらすじをみて分かると思うが、たいしたストーリーはない。大急ぎで料理を作っているときの包丁や鍋、あらゆる物の音で全員がリズムを刻んでいくのだ。韓国で大ヒットとなったこのミュージカルはニューヨークでも上演が決まったらしい。役者はもちろん韓国人。これが世界中で受け入れられる理由はセリフがほとんどないからだ。セリフは「ロクジ」と「タイジョー」ぐらいだった。あとはすべて身振り手振りで行われる。また観客で遊ぶ、遊ぶ。三、三、七拍子を客にやらせて、うまくできないと「タイジョー」と言われる。それに作った料理を客に食わせたりする。俺も食いたかった。においはいいにおいだったよ。最後はむりやりスタンディングオベーションをさせられたりした。普通むりやりさせるもんじゃないっしょ。

   それから、とにかく面白い。日本で言うとドリフのようなドタバタコメディー、という感じ。それに加えて、見事な包丁さばきによるリズム。これには驚く。そしてラストはサムルノリ(和太鼓みたいなもん)でかっこよく、閉める。一時間ちょっとの短いミュージカルだが、見ごたえは十分。笑いも十分。最高だった。いろんなものを楽器にするのは『ストンプ』とかあるけど、その設定をキッチンにして、ユーモアたっぷりに仕上げたアイデアが素晴らしい。うかうかしてると、日本は韓国に追い越されるぞ。



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