Miss Saigon


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感想



   ニューヨークでの最後の観劇になるので、おもいっきり泣いてやろうと思い、「ミス・サイゴン」を締めに選びました。これは一度ロンドンで見ているのですが、その時は泣いた泣いた。今日もそれを期待しての観劇というわけです。劇場に着くと、テレビカメラが取材に来てたり、ちょっと異様な雰囲気が。それもそのはず、実は明日の1月28日で10年近くロングランを続けてきたこの作品が千秋楽を迎えてしまうんです。本当はあるの千秋楽を観たかったのですが、ソールドアウトといわれたので、しかたなく前の日の今日にしたというわけです。

   内容はというと、さすがに感動しましたね。感動を通り越して、米兵クリスに怒りさえ覚えました。てめぇ、何結婚してんだよと。くそアメリカ人め、と思ったのですが、よく考えてみると、日本人も戦争中は韓国や朝鮮に同じようなことをしてきてるではないですか。僕はあまりそういう歴史には詳しくないので、説明できませんが、つまりそういう歴史を学校で教えてないんですよね、日本は。それはどうかと思います。アメリカはちゃんとこうやって、自分の国のしたことを作品として世にだしている。まぁ周りのアメリカ人がそれで反省しているとは思いませんが、すすり泣く声が聞えると言うことは、何かしら感じているということ。その感じるということが大切なんじゃないだろうか。日本みたいに汚い過去はふたをしてしまうようじゃだめですよ。

   演出の面で言うと、ロンドン版のとは結構違う所があったような気がする。か、あるいはロンドンでの記憶があやふやなのか。いやいや絶対違った。キムが自殺する所ではロンドン版では直前まで音楽が流れてて、銃声と共に止んだけど、NY版は音楽なかった。ジョンが歌う所ではテレビなんか無かった気がした。ヘリコプターが着陸しなかったような気がした。したっけ?というわけで、なぜだか、ロンドンで観た「ミス・サイゴン」の記憶があやふやなんです。

   でも何はともあれ、期待通り、たくさん泣かせてもらいました。前回と違って、今回は結末を知っているだけに、キムとクリスが楽しそうに愛を歌いあう、最初の方で涙が出てきてしまって、隣の人には変な目で見られたりしましたが、ニューヨーク観劇ツアーの締めにふさわしい作品になったのではないでしょうか。明日が千秋楽ということもあって、カーテンコールを何度もやってくれて、とてもうれしかった。ブロードウェーでカーテンコールを何度もやるのは初めて見たから、とてもラッキーでした。



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