あらすじ    ベトナム戦争の最中、サイゴンでは通称エンジニアが経営する売春婦のコンテストである「ミス・サイゴン」が行われている。そこで米兵クリスとベトナム人売春婦キムは恋に落ち、従兄トゥイとの婚約を無視し、結婚式を挙げる。しかしサイゴンは陥落しクリスはアメリカに戻る。三年後、クリスはアメリカ人女性エレンと結婚するが、クリスが戻ってくると信じているキムにはクリスとの子供タムがいた。それを知ったトゥイがタムを殺そうとしたのでキムはトゥイを射殺して、エンジニアと共にバンコクヘ逃げる。その頃クリスはキムとタムについて知り、エレンと共にバンコクへ向かう。それを知ったキムはクリスのホテルの部屋へ向かうが、そこにはエレンがいてキムはタムの引き取りを頼むが拒まれる。タムにベトナムでネズミのような暮らしをさせるより、アメリカで暮らしたほうが幸せであると感じたキムはクリスとエレンにタムを託しピストルで自殺をするのだった。 感想    　　このミュージカル観るの３度目です。といっても今まではロンドンとニューヨークで観たので、日本で観たのは初めてです。日本語でのミス・サイゴンというのは全然想像つきませんでしたが、まぁ普通に見ることができました。ただどうしてミュージカルを日本語に直すと「だぜ」口調が多くなるのでしょうか。その部分は気になりましたけど、でも素直に感動できましたし、歌もうまかったです。しかし、この作品は結末が分かっていると、もう最初のほうから涙が出っ放しになってしまいますね。キムとクリスが最初のほうに幸せそうに唄っているところが泣き所になってしまいます。    　それにしてもこれはベトナム戦争の話なんですが、ほんとに救いがない話です。もっとクリスを悪い奴に描いてくれれば、怒りの持っていきどころがあるんですけど、なんだかんだでいい奴なんですよね。でもこれを見てると、ほんとアメリカ人は学習しないです。この頃とおんなじようなことを今でもやってますから。クリスの戦友ジョンとか、戦地にいる時は売春婦を買ったりしてよろしくやってるくせに、戦争が終わったとたん、ベトナムの子供たちに愛の手をなんつって、活動している。どないやっちゅうねん！！ほんと腹立ちます。クリスもクリスで、キムに迎えに来るよなんて言っといて、アメリカ帰った１年後にアメリカ人女性と結婚してたりするし。はっきり言ってひどい話ですよね、これ。よくこれをアメリカで上演できますよ。しかもこれをアメリカ人が観に行って泣いたりしやがるんですから。泣いたりしやがるくせに、戦争でイラクに行って、イラクの人たちを捕まえて記念写真撮ったりしてるわけです。全然反省してないわけです、あいつらは。    　日本人キャストはエンジニア役が市村正親や筧利夫などがやるんですが、僕はあんまり観たくなかった別所哲也の回でした。キム役も笹本玲奈なんて誰やねんって感じです。でも笹本玲奈は歌めちゃめちゃうまかったです。あまり有名じゃないけど、彼女でよかったような気がします。松たか子は歌唱力が心配だし、知念里奈は演技力が心配ですから、結果的にOKでした。別所哲也も意外によかったですけど、でもちょっとキレイすぎる気がしました。やっぱりエンジニアは汚い人がやらないとうまくはまらないです。その点、市村や筧のほうがよかったような気がします。彼らのは見てないからなんとも言えませんけど。でも別所さん、足を怪我してるっぽかったです。途中は普通に動いてたので全然気づかなかったですけど、カーテンコールの時、足引きずってました。役者魂ですね。個人的にはエレン役の高橋由美子にドキドキしてました。中坊の時の僕らのアイドルですからね、彼女は。でも歌うまいですね、高橋由美子。昔CDとか買ったりしてたけど、下手でしたもん。それがキム役の笹本よりも全然うまくて、迫力ある歌い方でした。    　久しぶりの「ミス・サイゴン」でしたが、やはり豪華なミュージカルはいいもんです。ただ帝国劇場なので、弱冠音弱めでしたね。どちらかと言うと年齢層が高めなので、あんま大音量ってのはできないんでしょうね。しかし休憩長すぎるし、席で飯食ってるおばさんとかいるし、これだから帝劇は嫌なんです。うーん、でも市村版も見てみたいな。もう一回くらい行ってもいいかもしれない。しかしS席、13,500円は高すぎ！！

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