VILLA VILLA


あらすじ

特になし







感想

    すごい。とにかくすごい。いまだかつて経験したことのないような空間に連れてってくれます。濡れるわ、汚れるわ、痛いわ、疲れるわで普通のミュージカルを想像してるとかなり裏切られます。そもそも僕がこの「VILLA VILLA(ビーシャ・ビーシャ)」を見たのは、3年前くらいにとあるテレビ番組でこの特集をやってて、ニューヨークのブロードウェイでかなり人気があるミュージカルとして紹介されてたのを見たからです。それからずっと見たいと思ってたのですが、この度ついに日本に上陸するということで即効チケットをゲットしたというわけです。ミュージカルと言っても、ストーリーや歌は全くないのです。観客はちょっと狭い殺風景なフロアに押し込められ、椅子も無く立ちっぱなしでミュージカルというよりは、クラブみたいな雰囲気なのです。とにかく言葉ではこのミュージカルの10分の1も説明することは難しい、そんな前代未聞のミュージカルなのです。  

    会場に入ると、天井にシートが張ってあり、公演が始まると共にそのシートの上を飛び回るのがシルエットで見えます。いったい何が始まるやら想像も付かなくドキドキしていると、大音量の音楽が始まり、そのシートを破って上からロープに吊るされた演者が飛び出してくるのです。そっからもうすごい。上から紙ふぶきは降ってくるし、水は降ってくるし、風船は降ってくるしで、観客のテンションはあがりっぱなし。更に観客を上に連れ去ったりするし、度肝抜かれ放題です。  

    とにかく観客はトランス状態みたいな感じになり、たて乗りで踊りまくり、叫びまくります。「ビーシャビーシャ」というタイトル通りビシャビシャになるし、靴とかかなり汚れるんだけど、そんなのお構いなし、とにかくのらなきゃ損とばかりに、観客は日本人のくせにすごいノリまくりです。きっと日常の雑事から解き放たれた空間で観客も演者と共に暴れまくるので、終わった後は妙な爽快感と開放感でかなり気持ちよかったです。これはもうとにかく行って体験しなければわからない。ただ年配の人が知らずに行くと、おそらくカルチャーショックと心臓発作で倒れてしまうと思うのでお勧めはしませんが、若者には絶対お勧め。日本公演はもう終わっちゃったので、見たければブロードウェイに行くしかないですけど、これは一度は見る価値ありです。



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