レ・ミゼラブル


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感想



   レ・ミゼラブルは二回目の観劇になる。前回と同じ帝国劇場で、二階席だったが、なかなか見やすかったです。今回見たキャストの中で前回と違うのは、まずエポニーヌが島田歌穂だった。彼女はエポニーヌ役では世界的に有名なので、さすがうまかった。それからコゼット役が歌手のtohkoだった。役者初挑戦だったからちょっと心配だったが、それほど見劣りすることがありませんでした。同じコゼット役で今回安達祐美もいるので、そっちのほうが心配です。恐いものみたさでちょっと安達コゼットも観たかったかな。後のキャストは前回とほとんどおなじだった。

   ミュージカルではよく母と子の愛というのはよく描かれるが、父と子の愛というのは珍しい気がする。主人公ジャン・バルジャンは実の子供ではないコゼットと、その恋人マリウスをまさに実の父のごとく、父親らしい大きな愛で見守りながら生きている。黙して語らずというバルジャンの姿はかっこいい。しかしバルジャンは実に哀れだ。なぜなら常に罪の意識を背負って生きているからだ。たったパン一切れ盗んだだけの罪で20年近くも投獄され、仮釈放のまま逃げ出したということを常に心の咎としている。コゼットやマリウスに対しての愛もその意識から発生したものだ。人を許すということを一番よく知っていながら、自分に厳しく最後まで自分を許すことができなかったのだろう。

   それとこのミュージカルの見所として、バリケードでの戦闘シーンがある。前回は夢中であまり気づかなかったが、今日冷静に見てみると、あの戦闘シーンはとても迫力があり、全員が次々とやられていくところはまさに芸術を見ているようだった。楽曲も名曲が多いので、帰り道はどうしても口ずさんでしまう。そんな良質のミュージカルである。



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